亡き母の話を姉と桜餅
母が亡くなり、和菓子を買うことがめっきり少なくなった。認知症が進んだうえに、車椅子生活で食べること以外ほとんど楽しみのなくなった母のために、姉も私も買い物のたびに何かしら甘い物を買って、毎日三時のおやつを一緒に食べた。特に母は抹茶が好きだったから、春になると草餅や桜餅などをよく買ってきて抹茶を点てた。
もっとも亡くなる二年ほど前からは、抹茶を点ててもうれしそうな顔をすることもなくなり、無反応なことが多くなった。もう抹茶がなにか認識できていなかったかもしれない。
母が亡くなって一年半。久しぶりに姉が桜餅を買ってきてくれた。母はもういないけれど、抹茶を点てた。
<広告>