意思表示難くなりたる母のいのちはもはや家族のものとなりけり
自分のいのちは自分のもの。大方の人はそう思っているのではないだろうか。私もそう思ってきた。
しかし、母が認知症になり、自分のおかれている状況が認識できなくなり、自分がどのように介護されたいかとか、どのような死を迎えたいかとか意思表示できなくなったときに、あながちいのちというものは自分一人のものとも言い切れないと考えるようになった。
実際、母のように認知症が進んでしまえば、施設に入りたいとも、家にいたいとも、もう意思表示はできなくなってしまう。そうなれば、それを決めるのは家族ということになる。
だから、介護した子どもは親が亡くなったあとも「あれで良かったんだろうか」とずっと問い続けることになる。
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