帰り花

死といはず旅立ちといふ帰り花

 

最晩年の母は、「帰りたい」「帰りたい」を繰り返すものの、「どこへ帰りたいん?」と尋ねても、「わからん・・・」と、自分でも帰る場所を言えないことが多かった。そんなとき私は(これはもう魂の帰る場所がどこかにあって、母の魂がそこに帰りたがっているのかもしれない)と思うことがあった。

母が亡くなったいまも、(母の魂は帰りたかった場所に帰れたのだろうか?)と思うことがある。またその場所に、(祖父母や父もいて出会えているのだろうか?)と思うこともある。

あるいは魂に戻ったら、もう家族ではなくなるのかもしれないと考えることもあるが、できるなら私の魂の帰る場所も、父や母の魂の帰った場所と同じ場所であってほしい。

 

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