母の声

痛きとき一人ベッドで自らを励ます母の声の聞こゆる

 

これは母が頸部脊椎間狭窄症の手術を受けたあとのことだったと思う。リビングの隣の父と母の寝室から、なにかつぶやいている母の声が聞こえてきた。

どうしたのかと思って様子を見にいくと、ベッドで横になっている母が「わたし、がんばれぇ」「わたし、がんばれぇ」と自分を励ましている。狭窄症の後遺症の痛みが続いているが、いつも痛みばかり訴えるので父や私に申し訳ないと思って、一人で我慢しようと考えたのだろう。

もう母は亡くなっているのに、あのときの様子を思い出すと、いまだに胸が締めつけられるような感じがする。そして、そのときの母の声もまだ私の耳に残っている。

 

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