柿若葉笑まひつつ亡き父に詫ぶ
この句を詠んだのはまだ母が存命の頃である。父に対しては、特に認知症の症状が顕著になってから亡くなるまでの二年余りの自分の対応に深い後悔があった。
しかし、時の経過とともにすこしずつ気持ちの整理がついてきて、ふと笑顔で父を思い出せる日も増えてきた。その頃に詠んだ句だ。ただ、母が亡くなるとなかなかこの句を公開する気持ちになれず、もうお蔵入りにしようかとも考えていた。
三日前に父の夢をみた。うれしそうに笑っていた。そこでふとこの句を思い出した。父や母を亡くした哀しみは消えることはない。それでも、生きていれば笑えるときもある。笑えるときに笑っておこう。そう思ってこの句を公開することにした。
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