桜餅

桜餅母ひと口に食へるかな

 

動きはスローモーだが、食べ方は腕白だ。今日はコントロールよろしく、桜餅はまっすぐに口まで運ばれた。そして丸ごと口に押し込まれた。おいおい、無茶すんな。桜餅は姿も香りも食感も楽しめる和菓子だが、おそらく今の母は、香りを感じてはいない。色も赤と桃色の違いが識別できているかどうか……。認識とことばの関係は、ことばが先のような気がする。ことばが分かってこそ、こまやかな色や手触りの違いが認識できるのではないか。したがって、赤や桃色ということばをわすれた母には、赤と桃色の違いは認識できていないのではないかと思われる。

大木あまりさんに「桜餅今日さざ波の美しく」母と私には遠い世界の物語となった。

 

<広告>

わが家も減塩!

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA