時鳥

時鳥絶えたる父の身は熱く

 

息絶えて間もなかったのだろう。未明に父の体温を測り、「ああまだ熱が38度7分もある」と溜息をつき、ふと気づくと呼吸をしていなかった。前日は母の誕生日。それを待っていたかのように逝った。父の死体は早朝葬儀屋さんが来た時にもまだ温かかった。

姉にも私にも子どもがいない。だから、父のことを続く世代に伝えられない。だが、父のことを(そして母のことを)何かの形で残しておきたい。私がnoteやブログを始めた大きな動機の一つだ。

死ぬことは「冷たくなる」と表現される。私も観念的に死んだら冷たくなるものだと思っていた。温かな死体もあることを、父の死体に触れて初めて知った。

 

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