父退院帰路は葉桜ばかりなり
これを退院というのだろうか。やせ衰え、立つこともできず、ことばもほとんど発せられない。圧迫骨折の入院でまさかこんな状態になるとは思いもしなかった。入院して10日ほどは、記憶に混乱はあったもののしっかりとことばも喋り、リハビリも順調に見えた。ところが、新型コロナウィルスの流行によって面会できなくなった2週間ほどのうちに、父はすっかり変わってしまっていた。もう圧迫骨折の治療などどうでもいい。ただただ早く父を家に連れて帰りたかった。
4月末、ともかくも退院できることになって父を家に連れて帰った。帰路に目にする葉桜を見ながら、桜咲く頃にリハビリをしていた元気な父の姿を思わずにはいられなかった。
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