遠き日や土筆よろこぶ母ありき
子どものころ、土筆を摘んで帰ると母は喜んでくれた。もっとも料理をするのは母ではなくて父だったが……。
男子というのは、なにかしら母の期待を感じているものだと思う。もちろん男女に限らず子どもは親の期待を背負うものだが、ある意味男子にとって母親の期待は呪縛にもなっている場合があるように思う。
その点では、母は不思議なほど私にプレッシャーをかけることがなかった。内心ではそれなりに期待していたのかも知れないが、それを直接口にすることはなかった。
それが良かったのか悪かったのか。私は何者と呼べるほどの人間になれなかったが、私に呪縛をかけなかった母に感謝している。
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