一万回

一万回母を傷つけしその口で吐いてしまへり一万一回目のことば

 

本当は一万回どころではない。これまでどれだけ母を傷つけることばを吐いてきただろう。なかには暴言もある。誰かがそれを聞いて通報したら、私は虐待の罪に問われていたかも知れない。絶対にしないと誓って守ってこられたのは、母に手を上げないことだけだ。もう限界と思ったら、大声で泣くことにしている。泣くにせよ怒るにせよ、母に強く当たった後は、心にちくりと棘が刺さる。

それでも、すべての怒りを抑えたくはない。少なくとも「認知症だから仕方ない」という納得の仕方をしたくない。それは何か違う気がするのだ。母を一個の人間として見るなら怒るべきことをしたら怒りたい。たとえ母の心にも自分の心にも棘が刺さろうとも……。

 

さばが好き!

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA