花野

老父母の気づけば遠き花野かな

 

あれで良かったのかと今でも考える。亡くなるまでの2,3年は、活動的だった父が何もしなくなり、何をするのも億劫な様子だった。母も何かに感動するといったことは少なくなっていたから、景色のよい場所に連れ出しても、喜んでいるふうもなかった。でも、このまま家に籠もっていたら、ますます二人の認知症は進んでしまうのではないか。そう思って、年に何度かは車で遠出をした。結局あれは、自分が遠出をしたくて、両親を無理矢理つき合わせていたのではないか。

あのとき父が望んでいたのは、安心できる家で母とゆっくり過ごすことではなかったか。皮肉にもコロナ禍に父は亡くなり、必然的に家籠もりとなった。

 

<広告>

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA