病む母に添へば桜も聞くばかり
この春、姉と7年ぶりに花見に行った。父と母と姉と4人で海南市の小野田にある宇賀部神社に花見に出かけたのが7年前。その年の秋からの1年余りは母の体調がすぐれず3度の入院があり、翌年の初夏には父が亡くなり、夏には母が骨折し車椅子生活となってといった次第で、それから6年一度も花見に行くことはなかった。昨年の秋母が亡くなって7年ぶりの花見となったわけだが、この間桜は私にとって花便りを聞くだけの花であり、物理的にも精神的にももっとも遠い花であった。
長い人生の中には人との交わりにも時期によって親疎があるが、自然との触れ合いにもまた親疎がある。
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