薄暑

老母にも汗かかせたき薄暑かな

 

不整脈のある母には温度差がないほうがよいと考えて、わが家では春、秋のある時期を除いては、年中エアコンをつけて室温を一定に保っていた。そのせいか、ほとんど母が汗をかくのを見なくなった。もしかしたら、冷房を入れることによって汗をかかなくなり、汗腺機能が衰えてしまっていたのかも知れない。よかれと思ってやっていたことが母の身体にとって、よかったのかどうか・・・。

風薫る初夏のさわやかな日など、母を車椅子で外に連れ出して、うっすらと汗をかかせてやりたいと思うことがあったが、結局それも果たせないままに終わってしまった。

俳句に詠むより実践することこそが「徘介護」だったといま改めて反省している。

 

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