暮らしの手触り

やはらかに衰へてゆく老母との日々の暮らしの手触りいとし

 

認知症にくわえて、糖尿病・不整脈・脊椎間狭窄症など数々の病気を発症した母との暮らしは思い起こすと平坦とは言えないものだった。しかし、そのときは辛かったり、哀しかったりしたことも過ぎてしまうと懐かしくさえ思われる。

幸いなことに、亡くなる前の2,3年は比較的母の体調は良く、狭窄症の後遺症の痛みなどを訴える日も少なかった。その分認知症はすすみ、姉や私のこともほとんど分かってはいなかったと思うが、母の介護しながら送る毎日には確かな手触りがあった。

この日々をもう少し続けていきたいと思っていたが、それは叶わぬ夢となった。

 

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日永

退屈を母と分け合ふ日永かな

 

私が仕事に行く平日は、いつも姉が来て母の世話をしてくれた。それは義兄が単身赴任をしてくれたお陰だが、日曜や祝日は私が一日家にいられるので、姉は来ない。週末は義兄が家に帰ってくるし、姉も毎日では大変だから、祝日は休んでもらわないといけない。

そうではあるのだが、まる一日一人で母の相手をするのも正直つらい。母は食事以外は車椅子にじっと座っているほかにすることがない。テレビを観ても内容がもう理解出来ないらしく面白がる様子もない。私は私で、できるだけ母の傍にいてやりたいとは思うものの、母の傍で何といってすることもない。

結局は二人で退屈している。休日は一日が本当に長かった。

 

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