数の子

数の子を食ふたび父の逸話かな 

 

 いまnoteという媒体で、『私の 母の 物語』という小説を毎日書き続けている。母が認知症になってから、亡くなるまでを家族の歴史もふくめて書くつもりでいる。ちょうどここ2、3日は父にまつわることを書いているときなので、今回はこの句を掲載することにした。

父と母が分校の教員用住宅に住んでいたころ、当時まだ高価だった数の子をお正月のおせち料理の一品として買った。新年に友人が訪ねてきたので、父は酒の肴に数の子を出すようにいった。すると、母は数の子をあるだけ出してしまって、友人はそれを全部食べてしまい、父は楽しみにしていた数の子をすこししか食べられなかった。

父は正月に数の子を食べるたびにその話をした。いかにも母らしい逸話だ。

 

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