お母さんと咲ける菫に語りかけ

 

いつの頃からか、私はすみれの花のイメージを母に重ねるようになった。すみれの花は可憐でかわらいらしく、か弱く見えるが、植物としてのすみれは、アスファルトの裂け目にも生えるたくましさがあり、また冬にも花を咲かせることもあり、けっして弱い草花ではない。

いくつもの病気を抱えながら、九十三歳まで生きた母は、菫の可憐さとたくましさを併せ持った人だったように思う。また、すみれ色は母の好きな色でもあった。

わが家の庭では、春になるとすみれが花を咲かせる。母が亡くなって初めてむかえた今年の春、すみれの花を見たとき、われ知らず「お母さん」と語りかけていた。

 

 

<広告>

わが家も減塩!

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA