冬銀河われの使命のまだ見えず
私は、生まれてきた以上は人にはなんらかの使命があるのではないかと思っている。それを考えることは大変なことだが、母を介護している間はそれをわすれていられた。いま自分のすべきことは母に添うこと。そう自分を納得させられたからだ。
しかし、母が亡くなると、一時保留にしていたこの難題をまた考えねばならなくなった。自分はいったい何のために生きているのか、この先いったい何をすればいいのか。若い頃よりも還暦を過ぎたいまのほうがより見えなくなったような気がする。
もう先延ばしする時間もそんなにはないのだが、とりあえずいまは母が亡くなるまでの家族の物語を小説という形で記すこと、それだけを遂げておきたいと思い、毎日書き続けている。
※ 「喜怒哀楽の俳介護+」で 連載小説『私の 母の 物語』 四十六 (284)|@haikaigo を掲載中
<広告>